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イベント「どうぶつえん」でのパフォーマンス (2017.5.21)

代々木公園を会場に、異なるジャンルの参加者が公園内を移動しながら色々なアイデアを試していくイベント「どうぶつえん」に参加しました。

そのなかで、僕はイベント中ずっと”書記”のように、その最中に目に入ってくるものを文字で書き留めるパフォーマンスを行いました。イベントの記録のために、写真や映像のカメラも撮影をしていましたが、それらが捉えたものとは異なる視点から、あのイベントの中で何が起こっていたかが残されていると思います。

以下が、その時書き留めたメモの画像と、書き起こした文章になります。

​イベントに参加できた人も、参加できなかった人も読んでみてください。

1.

日影に入っているからさっきよりも涼しいので、今から始まる合図が赤いTシャツの男性が喋りかけて、タイヤに良くない空気も入ってないしね。立ち止まったままお互いの顔を見回す。写真を撮っても良いというかけ声が聞こえて動き出す集団の影は、午後の3時すぎナナメになった日差しによって少しずつ伸びてきている。おじさんは設置型?赤いロープで区切られた中に立つ。前を歩く女のイヤリングが三角形の組み合わせでできていて、アーチ状の白い構造物はいずれ植物が茂るのかもしれないが、いまは3才くらいの女の子がよじのぼっている。リュックサックの横のポケットに午後の紅茶のレモンティーが差さっていて、いつの間にか床に寝そべる女性のグレーっぽい水色、もう一度見て確認すれば、やはりグレーで、泳ぐようにして進む、たくさんの人の流れにじゃまされている、土の上に、さっきまでは遊歩道の上に、あの人はダンサー?知り合い?ダンサーって言ってもコンテンポラリーっていうか。のぼっていった像の上には、正面から太陽光、石像の側面に並ぶ三角形のへこみ一つ一つに影が落ちていて、寝転びながら首だけを曲げる外国人3人組は、皆サングラスをかけていて、飲み物はウィルキンソン、コカコーラ、アサヒスーパードライ。スーツ姿の男は鏡を路上に置いてのぞき込む。じゃあ行きましょうか。松葉杖の音が2、3回聞こえて、ギターを弾きなおす、笑い声が周辺から、鏡に映った空を持っているメガネをかけてボブより長い髪型、拍手が鳴る。大きい声を出した時に顔を上げた時、大きい声を出している口元のかたちを見る、警備員の自転車の鍵はくるくるとまるまっているタイプのアレで、サドルの下に収納されていて、許可とっていないならダメだよ、どっち方向ですか?また松葉杖からグループの歩く、飛行機雲を見つけてちょっとやり過ぎかと思うけど、目線を戻しても嘘なので書く。吉岡!吉岡!こっちこっち!吉岡!こっち!襟足を右手で押さえたまま歩く後ろ姿

 

2.

バードサンクチュアリに我々は入れずに少しだけ歩くスピードを落として、何かを見る、水にあつまる何かを見る。鳥を見つけた人はいる。東屋が3つ並んだ場所とサンクチュアリの間にスピーカーの電源を付ける。突然踊ります、許可取ったのか、クローバーの踏まれる音、頭上でカラスが鳴く、パンチが突き出される、シャッター音が2ヶ所からする、ゴールテープがきれた。もう一度来たおじさんの自転車は「excel」という名前。禁止なの、パフォーマンスは、人が通るときはやめたほうが良いの?足を立ったままクロスにして、事の成り行きを見守る。歩道からもっと奥に、移動しましょう、草が感じられる、背の高い木に囲まれて、当たりを見回す。水筒は赤いピクサーのカーズのイラスト、主人公のマックイーンは良い奴だった。更に暗い場所。どうぶつえん何回もやってるんですけど、チョクチョクストップ入るかなと思うんですが、腕を組んで木に登るのを見上げている男は2人、登っているのは女。4本の木の太い幹に右手、右足、左手、左足を突っぱる。今は2本の木にはさまって、しなる枝を膝のウラにはさむ、顔を鏡で隠して、スキマから見ている男をふと見ると目線が鏡にあたる。木から落ちる人の音、何もやってないですが、と少しの笑いで、次の場所にすすむ人の足音、さっきのつづきをちょっとだけ、両サイドの客はしゃがむ、枯れ葉で白っぽい茶色、頭は悪くないよ、土をほじくり返すために見つけた木の枝、リズムを後ろでとっている、曲がって、一部は水平な状態の太い木にのぼって、さらに上の枝をつかんでゆらす、枝についた葉がゆれる。歩きながらギターをひく、30人近いグループが林をすぎたところの遊歩道を過ぎてゆく。枯れ葉をかき分けて、頭で逆立ちする、代々木公園サービスセンターから、茶色のトイプードル、首輪に黄色いスマイルマーク

 

3.

のついたものをあずかっている、サービスセンターにトイプードルはいる、膝をたたく音から、地面と木の幹をたたく、しがみついた男にカメラを持った男が2人近づく、ここはわりと涼しい。赤いひもを地面に一直線に置いて、足を踏み鳴らす、太陽を直接ここからは見れない。頭に枯れ葉が1つ付いて、太陽さんさん、縦に拍手する女性はしゃがみ込んでいる。代々木サービスセンターからは迷子のお知らせ、3469-608にお電話ください、2才10ヶ月、白のチュニックにカーキ色のズボンをはいております。アプリは入ってるんですけど、ログオフするにはどうすれば良いかな、電話きた、のどが乾いて水を飲む、エビアンはもうかなりぬるい。さっきより明るい場所に進む、黒い折りたたみ傘には黄色いオオカミ、撤去しないといけないけど、人手が必要になったので右手に進む。迷子のにいなちゃんは無事に保護されました。だからさぁ何をとりしまってるかだよねぇ。バドミントンのシャトルは女が持っている、サーブを失敗する。割と早いスピードで移動する。上半身裸のタイコの音、ドンカッカッドンカッカッ、白く人通りの多い場所を通り過ぎて再び土の地面に、看板の後をついて回る。木一本一本に貼られた識別番号、一番近くはB793。「二重のしゃぼん玉やってみたくない?」キリン柄のシャツの人を目の前にして、少しだけふくらはぎが痛くなってくる。これがトイレだと思うからこっちです。こっちです。木の根を踏む、女子トイレからは8人並びが伸びてきている、今、16時7分。スマホと鏡をまとめて持つ、ビールが飲みたい。ダブダブのシャツを着た男のつれている女が背が高い。ランニングする人の胸筋がゆれる、ひたいの汗をぬぐってシャツでふいた

 

 

 

4.

緑のにおいが濃くなって少し丘のようになっているところを登る、土の地面にころがっている石を靴底で踏んで確かめる。撤去されるダンボール、完全のこの風景がデジャブ、今から持てそうな人、みこし的に運んでもらいないですかね、あれは岩?黄色いホースのつながって、丘を下って行く、この皆さんの荷物も持っていったほうが良いですかね。ダンボールの色と、髪の色と、シャツの色と、ズボンの色がどれも淡い色で似合ってます。もっと近づいても、遠巻きで見てもいいです、人垣を背のびしてシャッターを切る、水がたまってゆく、あふれる、もう少しであふれる、あふれた、反対方向を振り向けば丘の上にカメラマン、もう少しであふれるんじゃないの?黒いキャップからポニーテールが出ている、アイフォンの着信音、かけ足で立ち去る。水道の上に立つ、先程よりも人だかりは、一歩二歩ひいたところで輪になっている。作者がのぞきこむ、水の出ている、腹には時計が巻かれて、腕時計で時間を確かめる。水の音が聞こえ続けている、蚊にさされた、ピンクのシャツの男が今もっとも作品に近い、時計を見ているのを見ている。鏡の位置を少しずつ変える、木の梢に反射した光があたる、蛇口から水圧のかかった音、水道のまわりにはぬかるみができて、そこをまたぐ。はさみがダンボールとぶつかる音、発泡ウレタンとぶつかる音、それぞれ低音と高音。サービスセンターに今度は男の子が迷子、何で最後切ったんですか?結構言われちゃった、制服の警備員さん、厳しくなってるのかな、あの人だからかなぁ。舟を手でつかむ。皆で移動しますか、上のウレタンを取り除いて、その下をまた皆でのぞきこむ。破壊願望ある方、ダンボールを手で引き裂く、こっちの方が良かったっすね、スペクタクル。布ガムテープで固定された構造物が見える、このまま車に入れるのはどうだろう、かわくかな、小さいパーツにちぎって分ける

 

5.

持ち歩きながら行きます、少し減らします。参加費500円くらい入れてもらえれば、広げてもらえれば、小銭の音とアイフォンの着信音、ガムテームですべてをひとつにまとめる、持ちたくない人持ちたい人、荷物を割りふって、移動します。アウフビーダーゼン!三角形のダンボールを左手に持つ、黄色いホースはまだぬれている。丘のような場所からだんだん降りていく、どうゆう意味合いがあったのか、I don’t Know、長い木の枝をひきずっている、これ私、あれ言いましたっけ、昨日見つけて、踊る場所に置いておいたんですよ、みこし全体を後ろから見る、ホースもちょっと未来感、来た道を戻ると、さっきも聞いたアフリカ系のパーカッションの音、今は背中から太陽光、16時36分。空き缶をひろうおじさんの台車は緑。ピンポンパンポン、迷子の案内、今度は7才の男の子、ゴウ君です。歩道から林の方に入る、横断します、車イスにリュックサックがかけられている、三味線のセッションを左に見る、口笛はかすれている。歩道から緑ゾーン、枯れ葉ゾーンを抜けて再び歩道へ。そしてまた脇道にそれる。右手に過ぎていく、ウクレレを弾く4人組、女は酔っていて顔が赤い。カラスの声が頭上から聞こえる、参加型な感じでやりたいと思っています。ありがとうございました!気を付けて!目立っちゃった、まずは普通の1分間のスタート、「ゆずと梅とおしんこ!」、ダンボールのあとに時計が、さっきまで水の溜まっていた場所、1分間経ちました、目を閉じて1分間、音を聞く感じ、目を閉じて

 

6.

目を閉じるので、白い紙の状態のほうが良いだろうと思ってめくったらボードの金具がかちゃかちゃと鳴る、タイコの音 カラス 遠い所でタンバリン 続けてやっちゃいます、2人組になってください、どうしよう、このままだと書けないかも、靴が一緒だ!本当だ!見つめあう、OKですか、水色のスカートをはいている、右目と左目を交互に見てます、髪の毛がそよいでいるのを見てます。もう一種類くらい、荷物を床に置く、夕方になったからかさっきより涼しい、低い姿勢になって紙の上にも土がつく、足首を見る、手の力がすごいですね。しーん、地面を見る、さっきと何が違ってくるのか、スタート、ペットボトルが落ちている、さっきのでもう触ったことのある地面がある。空を見る一分間、低い木はもみじで、高い木は松の木、松の木の枝分かれを知る。カラスを見る、スタート、鳴き声を追う、追って姿を見つける、飛ぶ、何人かが追いかける。次はどこに行くのか少し待つこの時間、6人がスマホを見る、6人で荷物を運ぶ、さっきまでの枝がない。立ち止まる、噴水のある場所の前、池のすぐそばで荷物を下ろす。レジャーシートの上でパソコン作業をしている人がいる、細い木のよこ、ねこみちといいますよろしくおねがいしまーす!パソコンから少し顔をあげる、前2列はしゃがんみこんで聞く、後ろの方に7、8人が立ったまま聞く。くばられたカードのウラからマーカーの文字がすけてみえる「島の◯◯」

 

7.

「山をやっていた」アゴの下に鏡をおさえて、身体を左右にブラつかせている、ローカルな地名が付いている。5人の皆さま書き終わったでしょうか、配られたカードは黄色、水色、ピンク、黄緑、それと薄いむらさき、グレー?開かれていく、カード、3ヶ月前に出来たばかりのパワースポットで、上陸すれば精力が付く、この島の名前はしまうまさん島といいます。ウェコプーというコール&レスポンス、手拍子をする、ケンタと歌う、クラップユアハンズ!クラップユアハンズ!大きな風呂敷には橋だ!島に上陸したい人は、橋だ!橋がかかる、浮いている、今、橋がかかる!上陸なるか、結構な距離、3ヶ月ぶりの人類上陸!サイドステップでウェコプーのコール&レスポンス、短パンの子供が笑う、その子供は鳥の羽根をもっている。ギターの音が止んだら、タイコの音が聞こえてくる。中野の島忠で買った木材で作った橋を回収する、腰のところに鏡を固定している人が振りかえる。また移動する、その前の時で、3~4人のグループで話をする、あらためてパンフレットを配っている、おつかれさまです、手を合わせておじぎする。右側からシャッター音、向けられるカメラににやけ顔になる。今日来ている人の8割は半袖、どんどん涼しくなっている、水の近くだからか。「本当はもっと浅かったから」レジャーシートのパソコン作業男はイヤホンを外して足を伸ばしている。発泡ウレタンの一部を蕎麦屋の出前のように担ぐ白いTシャツの男、トラックの前にボールが転がる、黄緑とピンクのテニスボール、太陽光も弱くなってうっすらオレンジ、オレンジと白の間、真上の空は青から白に近づいている、風はほぼない、タオルが落ちる。水道の近くに集まる、頭上の枝にカラスが止まる。黒いビニールシート?ごみ袋が広げられてゆく。今は2枚目をひろげている、17時26分。目を閉じたまましぼったごみ袋の口に顔を近づける、それを周りを囲む人が目を開いてみている

 

8.

他の人の息と混ざる、それを周りの人は目を開いて見ている、さらに他の人の息と混ざる、黒いごみ袋は少しずつふくらんでゆく、誰かが誰かに手渡す、それを受け取った人が近くの誰かに渡す、それを周りの人は目を開いて見ている、バックにくくりつけた鏡が周りで見ている人の首すじを映す、黒いニットを被った男が息を吹きこむ、結構パンパンになる、ごみ袋の角が2つパンパンにふくらむ。池に近づいていく、何人か近づくか迷う、パフォーマーが池に入る、全員が池に向かう。池の向こうにどんどん入る、いつの間にか左側に右手にタトゥーの入った男性がいてグラサン越しに池を見て、口もとだけ笑っている、というか口もと以外見えない。今、参加者は全員で池を見ている、噴水は高くあがっている、おじぎをする、拍手をする、池からあがる、拍手をする。緑色のコンバースはぬれていない。寒い。黒い服はグレーだったような気がする、借りたタオルで身体を拭く、裸になった背中を見ている、服をうらがえして着る、乳首が見える、髪に付いた枯れた葉を取ってもらっている、鏡のウラを写真にとる。右手からだいぶ傾いた日差しがあたる、この紙の上にもあたる、鏡にたくさんの指紋がついている、すいません、次あっち側行きます!2人帰る、ありがとうございました。木の影も人の影も長く伸びている、すいませんこれは何ですか?えっとこれはパフォーマンスです、あのあつまりは何ですか?えっと何人かのパフォーマーが公園の色んな場所でパフォーマンスをするんです、サークルか何かですか?えっとまあ、時々あつまってやっているのです、ストリートパフォーマンスですか、何か色んなものの中間です、ありがとうございます、make senseしたわ、Thanks、いえいえすいません。集団はずいぶん先まで行っている、追いつく、ブルーシートが四角く広がっている。荷物を降ろしたり、座ったりする、背の高い木に囲まれて、全体が日かげになっている、何人かが踊る、おそらく彼も、彼女もダンサーなのだろうか

 

9.

3人組の女性はブルーシートに横になって頭上を見上げている、シートの真ん中には青いズボンの男性も横になっているが、目を閉じている。脱いだ靴を履き直している、脱がなくても良いように、シートのはじに座っている。携帯で時間を確認する、17時57分。パフォーマンスをしている段ボールにガムテープを貼る、木の奥の女性2人組のうち、1人がねそべって足を交互に上げて筋トレをしている、今は側筋をきたえている。ニコちゃんマーク、本当はピョンピョン飛ばないだろう、前向いていたほうが良いと思いますよ、ダンボールだよ、ダンボールの顔には真ん中にガムテープ、鼻の場所に。子供の子供の子供の子供の子供のダンボール、井上さんは1963年11月10日に死んだそうだ。さっきまで池を見ていた人たちは、今組み立てられたダンボールをブルーシートの上に座って見ている。ブルーのネットに貝がのる、本当はピョンピョンしない。A4の紙を持ちながら、前かがみになっている、何も持っていない左手は時々ゆっくり動く、生まれた子供は3年で7cmくらいになります。貝は貝の中を見れないし、死んでるし、森の中にいるし、ブルーシートの上に座るたくさんの人の目に見られているし、時々カメラで撮られているし。紙飛行機がブルーシートをわたる、ブルーシートに座る人たちは、外国人旅行者2名に見られている、不審がられている。くびれのあるのぼりやすいスタイルなわけ。奥の女性2人組がすまなそうに頭を下げる。お~い、の、~の部分に「ぉ、ぉ、ぉ、ぉ、ぉ」という小さいぉが聞こえる。亘理町にある松林は流されちゃったのね。腰が痛いので寄りかかった木はイチョウの木で、振りかえるとパフォーマンスはおわった。じゃあ終わりかな?拍手、終わりです、拍手。

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